“GAを終えて ~ 就職、そしてその先へ ~ ”

  • プロフィール写真1
    氏名:
    生田 結里(いくた ゆり)
    進路:
    中外製薬株式会社
    所属:
    工学府 生命工学専攻
    研究内容:
    病気の早期診断に用いるバイオセンサーの改良
    GA参加理由:
    日常の研究とは異なる分野の勉強をしたいと考えたため
  • プロフィール写真2
    氏名:
    岩井 友恵(いわい ともえ)
    進路:
    株式会社NTTファシリティーズ
    所属:
    生物システム応用科学府
    研究内容:
    土壌中における有害重金属の挙動
    GA参加理由:
    アントレプレナーに興味があったため
  • プロフィール写真3
    氏名:
    山岸 恭子(やまぎし やすこ)
    進路:
    日立化成株式会社
    所属:
    工学府 生命工学専攻
    研究内容:
    病気の早期診断に用いるバイオセンサーの開発
    GA参加理由:
    海外研修に行ってみたかったため
  • プロフィール写真4
    氏名:
    山本 航介(やまもと こうすけ)
    進路:
    国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
    所属:
    生物システム応用科学府
    研究内容:
    堆肥の高効率利用にむけた土壌分析
    GA参加理由:
    新規事業開発を通して研究とは違う視点で考える力を付けたかったため

今回の座談会では、グローバルアカデミー(GA)での経験が進路選択そのもの、あるいは進路に対する考え方にどのような影響を与えたか、というテーマでお話を伺っていきたいと思います。まずは、就職先を決めた理由と、どのような仕事をするのか教えてください。最初は岩井さん、お願いします。

インタビュー質問者
桜井
インタビュー回答者
岩井

4月からは今の研究とは内容を変えて、NTTグループの電力設備のメンテナンスを行っているNTTファシリティーズという会社で働きます。大学に入学したころは環境汚染を解決したい、と思っていましたが、次第に環境問題を生み出している社会とその基盤であるインフラに興味がわくようになって、特に色々な環境問題に関連してくるエネルギー分野に最も興味を持ちました。いずれは建物や地域全体の省エネにつながる仕事をしたいと思っています。

座談会風景1

今の研究内容を活かす方向ではなく、そこから新たに興味を持った分野で就職されるのですね。他の方はどうですか。

インタビュー質問者
桜井
インタビュー回答者
山岸

私は日立化成という、診断薬を手がけている化学メーカーで技術職員として働きます。母が検査技師をやっていたこともあって、病気を早く診断できることが今後も重要だと感じたので、診断薬に関わりたいと思っていました。仕事内容としては研究開発を志望していて、今の自分の研究に近い診断薬の開発に携わりたいと思っています。

インタビュー回答者
生田

私は中外製薬で研究職として働きます。家族が製薬会社で働いているので、中学、高校からずっと製薬に携わりたいと思っていて、医療として新しい薬をつくりたい、研究職として製薬会社に入りたいと思っていました。就職先ではバイオ医薬品を扱い、薬の種になるものを探して、それをエンジニアリングしていく仕事になると思います。

インタビュー回答者
山本

私は新エネルギー・産業技術総合開発機構という独立行政法人で、国が行っている技術開発のマネジメントを担う仕事に就きます。私も岩井さんと同じで、今の研究分野である農業とは直接結び付かない仕事です。農業だけでなく環境・エネルギー問題にも興味があり、なかなか絞り切れなかったときに、逆にいろいろな事業をやっている組織で働いてみようと思いました。また、自分の研究の社会に対する意義や位置づけに関心があったので、国の技術開発の全体を見ながら調整していくという仕事が自分に合っていると感じました。

現在の専門を生かす方もいれば新しい分野に取り組む方もいて、様々な進路選択がありますね。 みなさんは昨年、GAに参加した直後から就職活動をされましたが、自分の進路を考えるうえで、GAがどのような影響を及ぼしたのか聞いてみたいと思います。まずは影響が大きそうな山本くんお願いします。

インタビュー質問者
桜井
インタビュー回答者
山本

たしかにGAの影響は大きかったです。就職活動を始めたころは、自分の専門を生かそうと思って農業や環境系の研究職を中心にみていました。けれども、研究を仕事にしていくことに対して、しっくりこないというか、もっと他にあるのではないかと感じたので、就職活動の途中から選択肢を広げました。異分野の総合職になることには思い切りが必要でしたが、GAを通じて理工系の多様なキャリアについて考えてきた経験から、総合職として働くことも魅力的だと感じました。

座談会風景2

GAの最終報告会では、私たち自身が、「理工系人材がより多様な場面で活躍するべきだ」と主張しましたよね。岩井さんはどうでしたか。

インタビュー質問者
桜井
インタビュー回答者
岩井

私の場合は進路選択そのものよりも、価値観や考え方に影響したと思います。GAでの新規事業開発や、SRIでの海外研修を通じてビジネスの視点が身近に感じられるようになりました。そこで今年の夏には、ドイツの学生とビジネスについて1週間学ぶプログラムにも参加しました。

それは全部、英語でビジネスについて学ぶプログラムなのですよね。

インタビュー質問者
桜井
インタビュー回答者
岩井

そうです。大変そうだなとも思いましたが、自分の興味に素直になろうと、思い切って参加しました。

興味の幅が広がったことで、フットワークも軽くなったのですね。生田さんはどのような影響がありましたか。

インタビュー質問者
桜井
インタビュー回答者
生田

私も進路選択そのものには影響していないのですが、イノベーションに対する考え方は変化したと思います。GAのグループワークで「ライフスタイル・イノベーション」というテーマに取り組んだときに、イノベーションとはただ単に新しいものではなくて、何度も何度も考え直した結果、たどり着けるものだと捉えられるようになりました。

イノベーションの捉え方が変化したのですね。それは製薬の仕事にもつながりそうですか。

インタビュー質問者
桜井
インタビュー回答者
生田

そうですね。製薬では、新しい薬をつくるときにイノベーションがキーワードになります。社会に大きな影響を与える新薬の開発も、思い付きではなくて、日々、考え続けることとか、壊して、戻していく、そういうことの繰り返しだと捉えるようになりました。

インタビュー回答者
山本

製薬の世界はなかなか厳しそうですね。

インタビュー回答者
生田

今まであるものが蓄積されているなかで、さらに新しいものをつくらなければいけないという点が特に難しいですね。そういう部分にイノベーションの考え方が生きてくるかなと思っています。山岸さんはどうでしたか?

インタビュー回答者
山岸

私の場合も進路選択そのものより、考え方などに影響したと感じています。特に、GAに参加したこと自体が私にとって大きな決断でした。今までいろいろなプログラムがあっても、実際に参加することはなかったのですが、GAは参加してみようかなと思えたことが自分の殻を破ったという感じでした。就職活動でも、診断薬以外にもいろいろ扱っている化学メーカーに飛び込んでみようかな、担当が診断薬以外になる可能性があっても、それでもやってみようと思えるようになったのはGAの経験からだと思います。

座談会風景3

それは大きな変化ですね。一歩を踏み出して得られた小さな成功体験は、その後、自分が新しいことに挑戦する際の自信になりますよね。 今年、このメンバーはグローバル・プロフェッショナル・プログラム(GPP)にも参加しています。今度は未来に向けた話で、GPPに参加するうえでの目標を教えてください。

インタビュー質問者
桜井
インタビュー回答者
岩井

GAでは思考構築プログラムのグループワークを通じて、自分自身の知らなかった一面を知ることができたので、GPPでもグループの中で私ができる新しい役割を探していきたいと思います。

インタビュー回答者
山本

岩井さんと近いですが、僕はグループの外での役割を担ってみたいと考えています。GAと同じ思考構築プログラムにGPPではTA(Teaching Assistant)として参加することで、新しい学びを得たいと思います。

インタビュー回答者
生田

私もグループワークに関心があります。去年のGAでは先輩がいたので私はけっこう自由に行動できました。しかし、GPPでは最上級生となるので、リーダーとして下級生の意見や発想を上手く盛り込めるようになりたいと思っています。

インタビュー回答者
山岸

今年の思考構築プログラムでは、最終的にハワイ大学の学生とディスカッションをするので、そこで使える英語力を養うこと、そして自分の考えを伝えられるようになりたいと思います。

みなさんGAでの経験を踏まえて、GPPではさらに質の高い成果を目指しているのですね。それではもっと長い目で、GAでの経験は今後の人生にどのように生きていくと考えていますか。

インタビュー質問者
桜井
インタビュー回答者
生田

そうですね、私はGAのグループワークの中で、専門も学年も考え方も違ういろいろな人とコミュニケーションをとれたことと、コミュニケーションのとり方を学べたことが大きかったです。これから私は研究職として専門的な環境で働くことになりますが、そのなかでもいろいろな人とコミュニケーションをとっていきたいと思います。

座談会風景4

専門性だけにとらわれないコミュニケーションは重要ですね。同じ技術系の道に進む山岸さんはどうですか。

インタビュー質問者
桜井
インタビュー回答者
山岸

GAはグループワークなどを通して、いろいろな人の立場に立って多角的に考えることが本当に実行できたプログラムだと思っています。今後も、いろいろな立場の目線があるということを忘れずにいたいと思います。

インタビュー回答者
岩井

私は、グループワークを通じて自分がチームの中でどのように動けるかということをGPPでさらに深く学んで、社会に出てからもチームにより貢献できる人間になりたいと思います。

インタビュー回答者
山本

僕がGAでの経験で一番大きかったのは、岩田先生がおっしゃっていたPlanned happen stanceという考え方です。自分の将来やキャリアを計画することは大切ですが、そこには必ず偶然の要素が入ってきます。GPPではグローバル・プロフェッショナルを掲げていますが、僕自身は絶対にグローバルに働きたいというこだわりがあるわけではありません。自分が何か目指していった先に、海外に出ていくこともあるかもしれないという捉え方です。普段から目指すもののために準備を怠らず、偶然のチャンスをつかむ。そういう考え方は今後もずっと自分のなかで息づいていくと思っています。

それでは最後にGPP参加者へのメッセージをお願いします。

インタビュー質問者
桜井
インタビュー回答者
生田

GPP は、プログラムを通じて、特にグループワークではいろいろな学年の人と関われる珍しい機会です。この機会を生かして、自分の強みと弱み、あとは先輩からたくさんのことを吸収できる点を意識して取り組んだら、すごく楽しくなると思います。

インタビュー回答者
山岸

グループワークは絶対に詰まるときがあります。そのときが正念場だぞと、頑張れと、それだけです。

インタビュー回答者
岩井

迷っている人はまずはやってみたらいいと思います。GPPの講義はすごくフレキシブルなので、少しでも興味があるのだったら、始めてみるのが一番だと思います。

インタビュー回答者
山本

僕も岩井さんに同感で、まずはチャレンジしてみる、という姿勢を大切にしてほしいです。自分の進路やキャリアについて深く考えることは重要ですが、それにとらわれ過ぎずに、なんだか面白そう!と感じて、一歩踏み出してみた先に得られるものもあると思います。とはいえ、それは一人ではなかなか難しいことだと思うので、GPPの先生方や他の参加者の力をうまく活用してほしいですね。みんなで一緒に頑張りましょう!